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2014.05.26 (Mon)

ようワカランけど悪いことをしてるんだな

平成26年3月17日
多摩区 緑陽苑を市民の手にとりもどす会が川崎市議会議長 浅野文直に陳情書を

社会福祉法人ひまわりの会の経営を川崎市もしくは公正な運営が期待できる団体に移管することに関する陳情
http://www.city.kawasaki.jp/980/cmsfiles/contents/0000056/56166/tinjou153.pdf


社会福祉法人は全国に2万法人近くあり、特別養護老人ホームや障害者施設、保育園など約16万カ所の施設の約45%を運営する。福祉や子育ての拠点だ。公共性が高いため、お金もうけを目的にしない「非営利団体」で、個人が所有することもできない。だが、一部の理事長が億単位の金で理事長職を売り、勝手に運営権を譲る「社福売買」が横行している。背景には社福を私物化して利益を得ようという動きがある。
川崎市郊外の住宅地で、60坪(約200平方メートル)ほどの敷地に見知らぬ戸建て住宅が建てられていた。

「土地転がしのように転売されるとは」。この土地を持っていた園部とおるさん(67)は唇をかむ。

2011年5月、川崎市にある特別養護老人ホーム緑陽苑にいた母親が亡くなった。この土地には母が住んでいた家があり、生前に「施設に使ってもらおう」と話していた。

遺志を受け継ぎ、特養を運営する社会福祉法人ひまわりの会(川崎市)に寄付を申し入れ、12月には理事長も交えて使い道を打ち合わせた。「職員寮やデイサービスなどの拠点として使う」。こう書かれた理事長名の文書も届いた。

① 寄付の土地転売

ところが、所有権を移し終え、昨年8月に見に行くと、庭木が伐採され、家もかぎなどが壊されていた。その1カ月後、土地は横浜市の不動産業者に売られ、それから2カ月後には別の業者に転売された。

 「決算が良くないので、昨年の年明けから売却で動き始めた。理事長が決めたと聞いた」。ひまわりの会の元職員らは打ち明ける。

「土地の使い方を理事会にはかった形跡はなく、寄付の申込書や領収書などの書類もなかった」。ひまわりの会に監査に入った川崎市の担当者もこう言う。

「公のためにという寄付を理事長が勝手に売っていいのか」。園部さんは善意が踏みにじられた思いだ。

ひまわりの会は「特養を作ってほしい」という住民の運動を機に市が土地を提供するなどしてできた。だが、収支が悪化したため、介護人材の研修などにかかわっていた今の理事長が10年に就任した。それから「ワンマン運営」が続く。

理事長が受け取る報酬と給料も、就任した時の月10万円から、11年には新しくつくった総施設長職の給料も合わせて月約60万円に、昨年4月には月80万円に上がった。元職員らによると、総施設長職をつくった時には「理事会で自分が兼ねると言い、ほかの人を推す声を遮るように決めた」という。自ら「年収800万円を」とも求めた。

市の担当者は「明確な規定も理事会の承認もなく、金額を理事長専決で決めた。勤務実態もはっきりしていない」と指摘する。

今年4月には元職員や入居者の家族らが市議会に不透明な体制の一新を求める陳情を出し、受理された。これに対し、理事長はこう反論する。「寄付は法人に役立ててという話があっただけで、何に使うかを約束したことはない。総施設長を兼ねたのは、ほかの理事から常勤になるよう要請があったから。報酬引き上げなども理事会で決まった」

陳情で指摘された業者との不透明な取引でも、新たな事実が発覚した。

「特殊浴槽を扱っていますか」。12年春ごろ、川崎市から遠く離れた北海道小樽市の建築資材会社に理事長から電話があった。

このころ、緑陽苑では介護のための特殊浴槽を買いかえる話が進んでいた。元施設長は理事長から「この件は任せてほしい」と言われたという。

理事会で、理事長は小樽の会社を介して浴槽を買うよう提案した。「なぜ小樽の会社なのか」。疑問の声があがると理事長は答えた。「おじの会社だ」

この時は一部の理事が反発して立ち消えになった。だが、小樽の社長をするおじは理事長の紹介で照明器具を納めたことを認める。

注文してきたのは、理事長が就任してから緑陽苑などの清掃を請け負うようになった「ライフ」(川崎市)という会社だ。理事長が就任前まで監査役を務め、知人が社長をしている。清掃から備品購入まで引き受けてきた。

「おじの会社だからいろいろ買ってほしいと頼んでくれたようだ」。小樽の社長は打ち明ける。



② 議事録を偽造

「たまに顔を出すと、施設の車や備品を勝手に買う。『理事長、困りますよ』と言うと、『わしゃオーナーじゃわい』と。従うしかなかった」。鳥取県江府町にある社会福祉法人寿耕会の前事務長(77)は、前理事長らの暴走を振り返る。

もともとは町が特養をつくるために土地を提供して誘致し、関西の堺市で病院などを運営していた前理事長が93年に進出した。特養チロルの里などを運営し、入居者や職員のほとんどは地元の人たちだ。

昨年まで寿耕会の理事10人のうち半分以上は、前理事長の親族や病院関係者だった。これらの理事は県外に住み、前理事長もふだんは堺にいた。

前理事長はたまに来たかと思えば、施設の洗濯機などを勝手に買い、施設の車に乗ってそのまま堺に帰った。大型車を買って帰り、寿耕会に約240万円の請求書だけが届いたこともある。2台の車は堺に置かれたままだった。

理事会は予算や決算を承認するために年2回は開かなければならないが、だいたいは年1回だけ。もう1回分は前事務長が議事録を偽造していた。「理事会を開くために連絡すると、『忙しいから適当にやったようにしておけ』だった」

前年度の議事録を参考に議題をつくり、理事の名前を何人か書いた。預かっている理事長印などを押し、何かあれば携帯電話で指示を受けた。

前理事長は08年に脳出血で倒れてからはまったく来なくなり、特養の施設次長を務める姉を介して指示を伝えてきた。その姉も前理事長が倒れてからはまったく顔を出さなかった。

それでも2人は給料をもらい続けた。県から「理事長らの勤務実態がない」と指導され、昨年、地元の人らと交代するまでだ。

県が把握している10年余りで、ほとんど勤務実態がない2人に払われた給料は計1億6千万円に達する。それは介護保険や入居者の自己負担から出された。

前理事長の代理人の比嘉廉丈弁護士は朝日新聞の取材に対し、「常勤は条件ではなかったはず。好ましくはないが、事故などの問題は起きなかった。雇用も生まれ、地元では不満な人はいないはずだ」と話す。



■働きにくいチェック

社福は篤志家らが福祉のためにつくった組織が起源になっている。このため、土地などの基本財産を寄付した人が理事長になることを前提に設立されてきた。こうした経緯から運営は理事長中心になりがちだ。

ただ、厚生労働省は「公正かつ適正な運営」のため、理事(6人以上、法律では3人以上)、評議員(理事の2倍超)、監事(2人以上、法律では1人以上)を置くことにしている。理事長も理事の中から選ぶことになっている。

理事は親族ばかりにならないような制約もある。法律では、各理事の配偶者や3親等以内の親族が理事全体の半数を超えてはいけない。規則や事業などを定めた「定款」でも、親族は理事6~9人に1人などの枠が定められている。

だが、親族以外の理事と言っても、地域代表で地元の町内会長や民生委員がなることが多い。年に何度か開かれる理事会に交通費をもらって出席する程度の人もいるという。

理事を選ぶのは評議員会だ。だが、評議員は理事会の同意を得て理事長が委託する。結局、理事長が評議員会や理事会を支配しやすい仕組みになっている。

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